公開研究会「ハンセン病のグローバルヒストリー」のお知らせ

今回の研究会は、科研研究会と共催の形で開催することにしました。参加を希望される方は、本エントリ下部の連絡先までご一報ください。

日時:2012年12月17日(月) 13:30〜17:00
場所:大阪大学豊中キャンパス 大阪大学会館2階 セミナー室
https://55099zzwd.coop.osaka-u.ac.jp/daigaku-hall/files/access.html

主催:科研費共同研究「ハンセン病研究の新視角―〈隔離〉の知から〈つなが
り〉の知へ」(基盤B、代表:蘭由岐子)
共催:医療・社会・環境研究会

【報告1】Jo Robertson (University of Queensland), “Children Lost to Leprosy”
【報告2】Sigurd Sandmo (Bergen City Museum/The Leprosy Museum, Norway),
“The Norwegian Leprosy Museum in Today's World of Leprosy”

【開催趣旨】
この度蘭科研の共同研究グループでは、オーストラリアとノルウェーの両国から
来日されるハンセン病の歴史研究者の報告を聞く機会を設けました。これまで日
本と海外のハンセン病問題に関して、研究者同士の交流はあまりおこなわれてき
ませんでした。
ジョー・ロバートソンさんは、オーストラリアやインドなどの植民地のハンセン
病について研究されており、今回はその中でも患者の子どもたちの問題に焦点を
当てて報告されます。よく知られているとおり、日本の療養所では入所者はそも
そも子どもを持つことができなかったため、ハンセン病に起因する問題が患者の
子孫に継承される部分は少ないといえます。こうした違いゆえに、かつての流行
地におけるハンセン病の残した問題には、地域によってそれぞれの特徴がありま
す。日本のハンセン病政策研究では、日本の事例を特殊視してしまいがちです
が、まずは、歴史的事実の把握と問題のありかについて、差異や共通点を見極め
るところからはじめられればと思います。
シグール・サンドモさんは、らい菌の発見者アルマウェル・ハンセンの出身国ノ
ルウェーのハンセン病博物館において史料保存・展示の業務と、ノルウェーとそ
れをとりまく国際的なハンセン病政策の研究をされています。今回の報告では、
19世紀後半のノルウェーハンセン病問題が国際的な政策にどのような影響を及
ぼしたか、またその歴史がノルウェーハンセン病博物館でどのように展示され
ているかをお話しいただきます。ハンセン病の歴史展示と史料保存は、病気その
ものが克服されつつある近年、各国で課題となっています。ノルウェーのハンセ
ン病史料はユネスコの世界記録遺産にも登録されており、医療アーカイブズをめ
ぐってどのような世界的な動きがあるか、最新の状況もふまえてお話しいただき
ます。

※本研究会の報告・質疑は英語で行われます。
本研究会は主催科研メンバー・共催研究会メンバー以外のどなたでも参加できま
す。参加希望者は、会場設営の都合上、事前に廣川和花
(hirokawa.waka[a]gmail.com [a]を@に変更)までご連絡ください。
★科研・研究会メンバーも事前に出欠をお知らせください。